早川書房
(日本語版翻訳権独占)1970
『おしどり探偵』や『秘密機関』などで大活躍したトミーとタペンスも、いまや、ベレズフォード夫妻と呼んだほうがずっとふさわしい初老の夫妻だった。 そのタペンスが、サニー・リッジ養老院からトミーへ最近死んだエイダ叔母さんの遺品を取りにくるようにとの知らせが届いた時、どうしてもトミーについていきたいと思ったのは、数週間前まだエイダ叔母さんが生きていた頃、そこで会ったランカスター夫人という上品な老女のことが、妙に気がかりだったからだ。 だが、ふたたび訪れたサニー・リッジに、ランカスター夫人の姿はなかった。 かわりに、今は亡きエイダ叔母さんの部屋に夫人から贈られたという一枚の美しい風景画が掛っていた。 タペンスはその風景画を見たとたん、むなさわぎを覚えたのである。 絵の中の、運河のそばの淋しい人家に、記憶があったのだ。 それに、暖炉の奥に子供が塗りこめられているという奇妙な話をし、いまかき消すようにいなくなったランカスター夫人のこと。 〈マクベス>の妖婆のセリフではないが、変に親指がずきずきして何か悪いことが起りそうな予感に、タペンスは襲われたのだった! 今年80回目の誕生日をむかえ、ますます筆の冴えるクリスティーが、全世界からよせられた“その後、トミーとタペンスはどうしました?”というファンの声に答えて書いた久々のおしどり探偵物!
解説:小林信彦「46年後のトミーとタペンス」
親指のうずき
深町眞理子訳 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(1131)『おしどり探偵』や『秘密機関』などで大活躍したトミーとタペンスも、いまや、ベレズフォード夫妻と呼んだほうがずっとふさわしい初老の夫妻だった。 そのタペンスが、サニー・リッジ養老院からトミーへ最近死んだエイダ叔母さんの遺品を取りにくるようにとの知らせが届いた時、どうしてもトミーについていきたいと思ったのは、数週間前まだエイダ叔母さんが生きていた頃、そこで会ったランカスター夫人という上品な老女のことが、妙に気がかりだったからだ。 だが、ふたたび訪れたサニー・リッジに、ランカスター夫人の姿はなかった。 かわりに、今は亡きエイダ叔母さんの部屋に夫人から贈られたという一枚の美しい風景画が掛っていた。 タペンスはその風景画を見たとたん、むなさわぎを覚えたのである。 絵の中の、運河のそばの淋しい人家に、記憶があったのだ。 それに、暖炉の奥に子供が塗りこめられているという奇妙な話をし、いまかき消すようにいなくなったランカスター夫人のこと。 〈マクベス>の妖婆のセリフではないが、変に親指がずきずきして何か悪いことが起りそうな予感に、タペンスは襲われたのだった! 今年80回目の誕生日をむかえ、ますます筆の冴えるクリスティーが、全世界からよせられた“その後、トミーとタペンスはどうしました?”というファンの声に答えて書いた久々のおしどり探偵物!
解説:小林信彦「46年後のトミーとタペンス」
1976
トミーとタペンスは冒険心旺盛な初老の夫婦。今は亡きエイダ叔母のいた養老院を訪れた時、タペンスは叔母の部屋にこ掛かっていた一幅の風景画に胸騒ぎを覚えた。絵の中の運河のそばの淋しい人家に見覚えがあったのだ。そして今、絵の所有者ランカスター夫人が失踪した!タペンスは、変に親指がずきずきして何か悪いことが起こりそうな予感に襲われる……おしどり探偵トミーとタペンスが縦横無尽に活躍する女史後期の佳作
第一部 サニー・リッジ (1. エイダ叔母さん/ 2. あなたのお子さん?/ 3. 葬儀/ 4. 一枚の絵/ 5. 老婦人の失踪/ 6. タペンス捜索にのりだす)/ 第二部 運河の家 (7. 善意の魔女/ 8. サットン・チャンセラー/ 9. マーケット・ベイジングの朝)/ 第三部 失踪――主婦 (10. 会議―そしてその後/ 11. ボンド街とマレイ博士/ 12. トミー旧友に会う/ 13. アルバート手がかりを追う)/ 第四部 教会があって塔がある 扉をあければ人がいる (14. 思考演習/ 15. 牧師館の一夜/ 16. 一夜明けて/ 17. ランカスター夫人)
解説:小林信彦「ストーリー・テラーとしてのクリスティー」
表紙:真鍋博
親指のうずき
深町眞理子訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-10) ISBN:9784150700102トミーとタペンスは冒険心旺盛な初老の夫婦。今は亡きエイダ叔母のいた養老院を訪れた時、タペンスは叔母の部屋にこ掛かっていた一幅の風景画に胸騒ぎを覚えた。絵の中の運河のそばの淋しい人家に見覚えがあったのだ。そして今、絵の所有者ランカスター夫人が失踪した!タペンスは、変に親指がずきずきして何か悪いことが起こりそうな予感に襲われる……おしどり探偵トミーとタペンスが縦横無尽に活躍する女史後期の佳作
第一部 サニー・リッジ (1. エイダ叔母さん/ 2. あなたのお子さん?/ 3. 葬儀/ 4. 一枚の絵/ 5. 老婦人の失踪/ 6. タペンス捜索にのりだす)/ 第二部 運河の家 (7. 善意の魔女/ 8. サットン・チャンセラー/ 9. マーケット・ベイジングの朝)/ 第三部 失踪――主婦 (10. 会議―そしてその後/ 11. ボンド街とマレイ博士/ 12. トミー旧友に会う/ 13. アルバート手がかりを追う)/ 第四部 教会があって塔がある 扉をあければ人がいる (14. 思考演習/ 15. 牧師館の一夜/ 16. 一夜明けて/ 17. ランカスター夫人)
解説:小林信彦「ストーリー・テラーとしてのクリスティー」
表紙:真鍋博
登場人物
タペンス・ベレズフォード | 主人公 |
トミー・ベレズフォード | タペンスの夫 |
エイダ・ファンショウ | トミーの叔母 |
ミリセント・パッカード | サニー・リッジの園長 |
ジュリア・ランカスター夫人 | サニー・リッジの入寮者 |
エイモス・ペリー | 《運河の家》の住人 |
アリス・ペリー | エイモスの妻 |
フィリップ・スターク | プライオリ荘のかつての住人。大地主 |
ネリー・ブライ | 町の活動家 |
ジェームズ・エクルズ | ランカスター夫人の弁護士 |
エンマ・ボスコワン | 画家の未亡人。彫刻家 |
アルバート・バット | ベレズフォード家の召使い |
アイヴァー・スミス | トミーの旧友 |
2004
亡くなった叔母の遺品、一幅の風景画を見たタペンスは奇妙な胸騒ぎをおぼえた。描かれている運河のそばの一軒家に見覚えがあったのだ。悪い予感を裏づけるかのように、絵のもともとの所有者だった老婦人が失踪した……初老を迎えてもますます元気、冒険大好きのおしどり探偵トミーとタペンス、縦横無尽の大活躍!
解説:竜弓人
親指のうずき
深町眞理子訳 早川書房 クリスティー文庫(49) ISBN:9784151300493亡くなった叔母の遺品、一幅の風景画を見たタペンスは奇妙な胸騒ぎをおぼえた。描かれている運河のそばの一軒家に見覚えがあったのだ。悪い予感を裏づけるかのように、絵のもともとの所有者だった老婦人が失踪した……初老を迎えてもますます元気、冒険大好きのおしどり探偵トミーとタペンス、縦横無尽の大活躍!
解説:竜弓人
映像化
映画
監督・脚本:パスカル・トマ 脚本:フランソワ・カヴィリオーリ、ナタリー・ラフォリ
出演: カトリーヌ・フロ(プリュダンス)、 アンドレ・デュソリエ(ベリゼール)、 ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド(ローズ)、 ローラン・テルジェフ、 ヴァレリー・カプリスキー、 ベルナール・ヴェルレー、 アレクサンドラ・スチュワルト、 サラ・ビアシーニ、 François Bettens、 フランソワーズ・セニエ、 エリザベス・マコッコ、 Isabelle Giami、 エルベ・ピエール、 Alexandre Pesle、 アンドレ・ソレント、 アンヌ・ル・ニ、 ヴァレリアーヌ・ドゥ・ヴァラヌーヴ、 Bernard Marcate
奥さまは名探偵 Mon petit doigt m'a dit...
2005年 フランス |監督・脚本:パスカル・トマ 脚本:フランソワ・カヴィリオーリ、ナタリー・ラフォリ
出演: カトリーヌ・フロ(プリュダンス)、 アンドレ・デュソリエ(ベリゼール)、 ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド(ローズ)、 ローラン・テルジェフ、 ヴァレリー・カプリスキー、 ベルナール・ヴェルレー、 アレクサンドラ・スチュワルト、 サラ・ビアシーニ、 François Bettens、 フランソワーズ・セニエ、 エリザベス・マコッコ、 Isabelle Giami、 エルベ・ピエール、 Alexandre Pesle、 アンドレ・ソレント、 アンヌ・ル・ニ、 ヴァレリアーヌ・ドゥ・ヴァラヌーヴ、 Bernard Marcate
テレビドラマ
監督:ピーター・メダック 脚本:スチュアート・ハーコート
出演: ジェラルディン・マクイーワン(ミス・マープル)、 クロエ・ペニントン、 Oliver Jordan、 アンソニー・アンドルーズ(トミー)、 グレタ・スカッキ(タペンス)、 クレア・ホルマン(ミス・パッカード)、 ミリアム・カーリン(マージョリー)、 ジューン・ウィットフィールド(ランカスター夫人)、 クレア・ブルーム(エイダ叔母さん)、 スティーブン・バーコフ(エクルズ)、 パトリック・バーロウ(ティモシー)、 O・T・ファグベンル(クリス)、 ジョディー・ハルゼ(アリス・ペリー)、 ジョシー・ローレンス(ハンナ)、 マイケル・マロニー、 ミシェル・ライアン、 マイケル・ベグリー(イーサン)、 リア・ウィリアムス(ネリー・ブライ)、 ブライアン・コンリー(エリック)、 チャールズ・ダンス(セプティマス)、 ボニー・ラングフォード(ベティ)
親指のうずき By The Pricking Of My Thumbs
2006年 英ITV 「アガサ・クリスティー ミス・マープル」Agatha Christie's MARPLE Series 2 |監督:ピーター・メダック 脚本:スチュアート・ハーコート
出演: ジェラルディン・マクイーワン(ミス・マープル)、 クロエ・ペニントン、 Oliver Jordan、 アンソニー・アンドルーズ(トミー)、 グレタ・スカッキ(タペンス)、 クレア・ホルマン(ミス・パッカード)、 ミリアム・カーリン(マージョリー)、 ジューン・ウィットフィールド(ランカスター夫人)、 クレア・ブルーム(エイダ叔母さん)、 スティーブン・バーコフ(エクルズ)、 パトリック・バーロウ(ティモシー)、 O・T・ファグベンル(クリス)、 ジョディー・ハルゼ(アリス・ペリー)、 ジョシー・ローレンス(ハンナ)、 マイケル・マロニー、 ミシェル・ライアン、 マイケル・ベグリー(イーサン)、 リア・ウィリアムス(ネリー・ブライ)、 ブライアン・コンリー(エリック)、 チャールズ・ダンス(セプティマス)、 ボニー・ラングフォード(ベティ)