死が最後にやってくる
Death Comes as the End

英語版・世界の表紙ギャラリーはこちらをクリック

ノンシリーズものの長編9作目(メアリ・ウェストマコット名義の作品を除く)。 中近東を舞台にした作品群のひとつ。
1945年3月、Collins社から刊行された。 米国版は1944年、Dodd, Mead社から刊行。
日本語初訳は1958年の『死が最後にやってくる』(加島祥造訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ)。

早川書房

(日本語版翻訳権独占)
1958
死が最後にやってくる
加島祥造訳 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(396)
「お祖母さんは呪いを受けて死んだのじゃない、人に殺されたんだと、あなたは本気で思っているの?」
レニセンブがそう訊くと、ホリは静かにうなずいた。 ホリは頭のいい男だ。 その考えに間違いはないかも知れない。 だがそんな恐しいことがあるだろうか。 レニセンブは空を見あげた。 紀元前二千年のエジプトの空だ。 あの太陽の月を恐れぬ殺人鬼が、自分たちの大家族の中にひそんでいるのか。 いや、そんなはずはない。 これは魔法か、悪霊の仕業なのだ! 時は紀元前二千年、所はエジプト古代都市、主題は大家族の連続殺人という、考古学者夫人クリスティーならでは書けぬ、探偵小説始まって以来の大異色作!
1978
死が最後にやってくる
加島祥造訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-34) ISBN:9784150700348
一族の長のインホテプが、傲慢で美貌の女ノフレトを連れて北方領地から帰ってきた。その日から一族には災厄が訪れたようだった。兄弟は反目しあい、その妻たちは妾のノフレトに憎しみを抱いた。ノフレトが崖の小径から誤って墜落死したとき、人々はこれで昔の平和がもどってくると考えたのだが……紀元前二千年のナイル河畔に起った恐るべき連続殺人!エジプト古代都市を舞台に女史一流の華麗な世界が展開する異色篇。
作者のことば/ 第1章 洪水季第2月20日/ 第2章 洪水季第3月4日/ 第3章 洪水季第3月14日/ 第4章 洪水季第3月15日/ 第5章 洪水季第4月5日/ 第6章 冬季第1月4日/ 第7章 冬季第1月5日/ 第8章 冬季第2月10日/ 第9章 冬季第2月10日/ 第10章 冬季第4月6日/ 第11章 夏季第1月11日/ 第12章 夏季第1月12日/ 第13章 夏季第1月23日/ 第14章 夏季第1月25日/ 第15章 夏季第1月30日/ 第16章 夏季第2月1日/ 第17章 夏季第2月1日/ 第18章 夏季第2月10日/ 第19章 夏季第2月15日/ 第20章 夏季第2月15日/ 第21章 夏季第2月16日/ 第22章 夏季第2月17日/ 第23章 夏季第2月17日
解説:「クリスティーの異色作」
表紙:真鍋博
登場人物
インホテプ家長。墓所守
ヤーモスインホテプの長男
サティピイヤーモスの妻
ソベクインホテプの次男
カイトソベクの妻
レニセンブインホテプの娘
テティレニセンブの子供
イピイインホテプの三男
エサインホテプの母
ノフレトインホテプの愛妾
へネットインホテプ家の召使い
ホリインホテプ家の管理人
カメニ書記
メルスー医者
2004
死が最後にやってくる
加島祥造訳 早川書房 クリスティー文庫(83) ISBN:9784151300820
傲慢で美貌の愛妾ノフレトを連れて族長が帰ってきた。その日から、一族のなかには反目や憎しみが。そしてノフレトが崖の小径から転落死を遂げた。これで再び平和が戻ってくるかに思われたが――紀元前二千年のナイル河畔で起こった恐るべき惨劇!エジプトの古代都市を舞台に華麗な世界が展開する異色ミステリ。
解説:深堀骨「アガサの凄さ」