ブラック・コーヒー
Black Coffee

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初演は1930年、ロンドンのエンバシー・シアター。
戯曲は1952年、Samuel French社から刊行されている。
1997年、チャールズ・オズボーンによって小説化されている。

構成
この芝居の舞台は、ロンドンから25マイルほど離れたアボット・クレーヴにあるクロード・エイモリー卿の邸の読書室である。
第一幕午後8時30分
第二幕翌朝
第三幕その15分後

早川書房

1954
ブラック・コーヒー
長沼弘毅訳 『宝石』第9巻第12号(10月特大号)

1982
ブラック・コーヒー
麻田実訳 『ミステリマガジン』1982年6月号(通巻314号)

1984
ブラック・コーヒー
麻田実訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-74) クリスティ戯曲集(5) ISBN:9784150700744
ロンドン郊外に居を構える科学者エイモリー卿の邸は、異様な緊張に包まれていた。晩餐後のコーヒータイムに、卿が意外なことを言い始めたのだ。邸内にいる何者かが、金庫から極秘書類を夕食前に盗んだのだという。寛大な卿は誰とも知れぬ犯人に、部屋を暗くしている間に盗んだ書類をひそかに返すよう命じた。が、再び明かりがついた時、卿はコーヒーに入った毒で殺されていた。そして、混乱のさなか、卿に緊急の調査を頼まれていた名探偵ポアロが到着した……大勢の前で卿の死を演出した大胆な殺人者とは?ポアロ登場の女史最初のオリジナル戯曲。
表紙:真鍋博
2004
ブラック・コーヒー
麻田実訳 早川書房 クリスティー文庫(65) ISBN:9784151300653
来客の一人に重要書類を盗まれたと知ったエイモリー卿は、寛大にも灯りを消しているあいだに書類を返せば罪に問わない、と宣言した。そして、灯りがついた時、卿はコーヒーにはいった毒で殺害されていた。そこへ卿に招かれていたポアロが到着するのだが……。クリスティー初のオリジナル戯曲。
解説:松坂健「こんなクリスティーでも(こそ)、やっぱり見たい!」

主要舞台

1982
名探偵登場:ブラック・コーヒー
風月堂ホール 劇団神戸
演出:夏目俊二
出演:夏目俊二(ポアロ)、友藤秀幸(ヘイスティングズ)、高橋正夫(エイモリー卿)
1989
ブラック・コーヒー
シーガルホール 劇団神戸
演出:今泉おさむ
出演:東山三六(ポアロ)、安田晶三(ヘイスティングス)、新山亮一(エイモリー卿)
1999
BLACK COFFEE
近鉄小劇場 劇団往来
演出:今泉おさむ
2009
ブラック・コーヒー
東京芸術劇場 劇団はむら
演出:佐竹修
2009
名探偵ポワロ:ブラック・コーヒー
博品館劇場
演出:佐竹修
出演:三波豊和、内海光司、片岡暁孝、山崎美貴、倉石功
2010年 シアター1010 ピュアーマリー
2013年 三越劇場 ピュアーマリー
2022
新★名探偵ポワロ
こくみん共済coopホール スペース・ゼロ/ピュアーマリー
演出:佐竹修

映像化

映画
Black Coffee
1931年 イギリス 未公開 |Black Coffee (1931) on IMDb
監督:レスリー・S・ヒスコット 脚本:H・ファウラー・ミア、ブロック・ウィリアムズ
出演: オースティン・トレバー(エルキュール・ポアロ)エイドリアン・アレン(ルシア・エイモリー)リチャード・クーパー(ヘイスティングス)エリザベス・アラン(バーバラ・エイモリー)C・V・フランス(クロード・エイモリー卿)フィリップ•ストレンジ(リチャード・エイモリー)ディーノ・ガルヴァーニ(カレリ博士)マイケル・シープリー(レイナー)メルヴィル・クーパー(ジャップ警部)Marie Wright(キャロライン・エイモリー)
映画
Le Coffret de laque
1932年 フランス 未公開 |Lackered Box (1932) on IMDb
監督:ジャン・ケム 脚本:Pierre Maudru、H・ファウラー・ミア、ブロック・ウィリアムズ
出演: ルネ・アレクサンドルハリー・アーベルダニエル・ダリューマキシム・デジャルダンガストン・デュプレーアリス・フィールドMaurice Varnyマルセル・ヴィベール
テレビドラマ
Black Coffee
1973年 西独ZDF |Black Coffee (1973) on IMDb
監督・脚本:クラウス・ペーター・ヴィット 脚本:Peter Goldbaum
出演: ホルスト・ボルマン(エルキュール・ポアロ)エルンスト・フリッツ・フュアブリンガー(エイモリー卿)Jochen Sostmann(ヘイスティングズ)Gert Haucke(ジャップ警部)ヘインズ・ファビアン(グレアム医師)Herbert Weicker(カレリ博士)フリードリッヒ・フォン・サンケーテ・ハーク(キャロライン)ウリ・フィリップ(ルシア)ヨッヘン・シュミット(リチャード)アニタ・ロッホナー(バーバラ)オットー・クルト(執事)

小説版

チャールズ・オズボーンによる小説化。 1998年、Collins社から刊行された。

1998
ブラック・コーヒー〈小説版〉
中村妙子訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-88) ISBN:9784150700881
晩餐後、科学者のエイモリー卿は家の者を一室に集めると驚くべき話を始めた。このなかに卿の極秘書類を盗んだ者がいる。部屋を暗くしている間に密かに返すようにと。が、明かりが再びつくと、卿はコーヒーに入った毒で殺されていた!混乱のなか、卿に緊急の調査を頼まれていたポアロが到着する……名探偵ポアロが導く、毒殺事件の意想外の結末は?全世界で話題をまいた、クリスティー初のオリジナル戯曲の小説版登場
2004
ブラック・コーヒー〈小説版〉
中村妙子訳 早川書房 クリスティー文庫(34) ISBN:9784151300349
晩餐後、科学者サー・クロード・エイモリー家の者を集め「この中に極秘書類を盗んだ者がいる」と叫んだ。部屋を暗くしている間に書類を返すことを彼は勧めたが、明かりがつくと殺されていた。彼から国家的大問題について相談したいと言われていたポアロは、真相を追うが……巧みな構成による、同名戯曲の小説版。
解説:貝谷郁子「ホットチョコレート好きのポアロが探る、ホットコーヒー殺人」